Flexcoでは、すべてのベルトコンベヤシステムに対して少なくとも1年に一度の徹底的な診断を受けることを勧めています。では、これは一年のどの時期に行うのがベストなのでしょうか?実を言えば、これはビジネスとその運営方法によって違うので、良い答えはありません。
一部の方々には、繁忙期の終わりに診断を受けることをお勧めします。ベルトコンベヤシステムの評価中に識別された課題について、対処する時間が取れるためです。
別の方々にとっては、繁忙期の直前に診断を受けることが、生産を妨げる可能性のある問題を特定して解決するために不可欠となります。システムを全体的に診断するのは年に1度だけとは誰も言っていませんから、繁忙期の前と後の両方に実施するという選択肢も常にあります。
診断の対象は何ですか?
どれを選択したとしても、運用について新鮮な視点を提供してくれる第三者によって診断が行われるのが理想です。問題があることに気づかなかった、またはずっと悩ませられていたことに対する解決策があったと、どれほど頻繁に言われたかわかりません。診断はとても目を見張るものになることがあるのです。
診断は包括的で、システムのすべてのコンポーネントを評価し、潜在的な問題を特定し、メンテナンス上の問題を積極的に指摘するものでなくてはなりません。それでは、診断中に見られる最も一般的なベルトコンベヤの課題は何だと思いますか?キャリーバック、ミストラッキング、漏出、そしてすべりです。
キャリーバック
コンベヤベルトのキャリーバックは、操作に影響する最も一般的でコストのかかる問題の1つです。コンベヤベルトに付着する物質は、避けることのできない「ビジネス上のコスト」のように見えるかもしれませんが、現実的な懸念と課題を表しています。実際、CEMAは、60インチ幅のベルトが毎分800フィートで走行すると仮定すると、保守的に見積もってもキャリーバックは週3トンになると推定しています。これは年間で言えばベルト1つあたり150トンの物質となります。コンベヤ上のキャリーバックを3%から1%に減らすことができれば、コンベヤのメンテナンス費用を67%削減することができます。
キャリーバックは、コンベヤベルトの損傷および/またはダウンタイム、生産性の低下、場合によっては安全上の危険を招く可能性があります。毎日コンベヤベルトで作業している人が、キャリーバックの明確な兆候を見落としたり、無視したりすることは容易に考えられます。そのため、外部の評価から得られる新鮮な見方がより必要になります。
ミストラッキング
キャリーバックがある所では、コンベヤベルトのミストラッキングが発生している可能性も高くなります。ローラーに蓄積があるとベルトが一方の側にドリフトする可能性がありますが、ミストラッキングはそれだけでなく、ベルトの磨耗が不均一、スプライスが正しくない、または荷重が中心から外れていることが原因の場合もあります。これらの問題はすべて、独立したベルトコンベヤ評価で特定できます。
コンベヤベルトのわずかな位置ずれでも、漏出やベルトの過度の磨耗、装置や、時には構造への大きな損傷を招くことがあるため、ミストラッキングを防止することは不可欠です。
漏出
ベルトコンベヤの評価で一般的に見られる3つ目の問題は、漏出です。コンベヤベルトの漏出は、材料の損失、機器の損傷、およびそれを清掃するために必要な余分な時間と費用によって、作業効率に悪影響を与えるものです。また、労働者の安全と作業環境にとって重大な脅威となる可能性があります。
コンベヤベルトの漏出はライン上のどこにでも発生する可能性があるため、システム全体を包括的に評価することが、発生を特定する最も効果的なアプローチです。
すべり(ベルトスリップ)
気象条件。システムの不適切な設定。運ばれる材料そのもの。これらの問題はすべて、プーリが適切にベルトを把持しないことにつながり、コンベヤベルトのすべりを招く可能性があります。コンベヤベルトのすべりは一般的な問題で、システム全体の作業をより困難にさせ、不必要な磨耗や裂傷、最終的にはダウンタイムや修理が発生する可能性があります。
完全なベルトコンベヤ評価によって、すべりが発生している理由と場所を特定し、また、それが発生しそうな場所を見つけて、更にコストがかかる前に対処することができます。
あなたのオペレーション…あなたの選択
ベルトコンベヤ診断をスケジュールすることは、診断を毎年カレンダーに組み込むことほど重要ではありません。年次ベルトコンベヤ診断をスケジュールすることは、慎重に点検を行うことで発見できる、コストがかる潜在的に危険な問題を防止する助けとなります。
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著者:プロダクトマネジャー、ケビン・フェイルズ
フェイルズはベルトコンベヤ製品(BCP)ラインを管理し、製品開発やエンジニアリング部に新製品および既存製品の市場要求を報告しアドバイスを与えています。また、BCPラインの技術開発およびプロモ資料も手掛けています。フェイルズはグランドバレー州立大学でマーケティングの学士を取得し、ウェスタンミシガン大学のMBAを取得しています。