国立労働安全衛生研究所(NIOSH)によると、産業セクターの中で死亡事故の発生率が最も高いのは鉱業で、全国平均の5倍以上に達しています。
2015年、鉱山安全衛生局に報告された業務中の死亡件数が26件、休業災害件数が4,517件に上ったことを、NIOSHは突き止めました。報告された休業災害のうち44.4%が捻挫もしくは筋肉の痛みでしたが、最も頻繁に報告された身体の部位は背中で、結果として延べ50,320日分の休業が発生しています。またそうしたストレス要因による極度の疲労は、個人と組織の両方にとって問題となり得ます。極度の疲労の結果、品質の低下、離職、常習的な欠勤、そして士気の低下が職場で発生するのです。
この情報をここでお伝えしているのはなぜでしょう?労働者の安全性をリスクに晒し、生産性に深刻な影響を与える可能性を一つひとつ抑えることの重要性を、よりよく理解していただきたいからです。厳しい状況(悪天候や素材の摩耗など)での業務に伴うすべての変数をコントロールできるわけではありませんが、安全なベルト修理に向けてどう準備を行うかはコントロールすることができます。
最終的に、コンベヤベルトの安全なメンテナンスは、安全性を最優先に設計された正しいツール選びから始まります。そこで、ベルトの修理プロセスをより簡単に、より迅速に、そしてより安全にする3つの主要ツールをご紹介します。
ツールその1:コンベヤベルト リフター
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コンベヤベルトを保持するFlex-Lifter™ベルト リフター。 |
張力をかけたコンベヤ ベルトをメンテナンス作業のために持ち上げて移動させるのは、難しい作業です。それは事業者にとって時間がかかり、危険も伴います。安全なサポートツールを使用せずにコンベヤベルトを持ち上げると、怪我のリスクが高まります。正しくないツールで予期せぬ事態が発生する、荷物が吊り下がったまま作業する、手作業の結果労働者が疲労する、というのがその理由です。
Flex-Lifter™ベルト リフターを使用すれば、プライバーを使ったり手で持ち上げたりする必要がなくなります。このベルト リフターは幅が96インチ(244センチメートル)までのコンベヤベルトを支えて持ち上げるよう設計されており、安全リフト定格は6,000ポンド(2,721キログラム)に達します。この万能なツールには調整可能なウイングがあり、トラフ型またはフラット型の上面ベルトの持ち上げ作業を簡単に行えます。このツールは困難で危険な作業を簡単かつ安全にします。ベルト リフターの作業動画からご自分の目でお確かめください。
ツールその2:工業用ベルトクランプ
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TUG™ HD®ベルトクランプでセットアップを完了させる。 |
ベルトコンベヤシステムのロックとタギング、および正しい個人用防護具の着用に加え、お使いのベルトを適切にクランプすることも、悲惨な事故を防ぐ最も大事なステップの一つです。地面から0.5マイル離れているか、または0.5マイル地中に潜っているかにかかわらず、クランプは修理の際に実施すべき最も重要な安全対策の一つです。
正しいツールや製品を用いずにクランプ作業を行うと、深刻な怪我が発生し得ることを忘れないでください。これについては当社のブログ「手製のベルトクランプvs.工業用のベルトクランプ」で説明しています。TUG™ HD®ベルトクランプは定格6~8トンの高負荷用途において、ベルトをより強力にクランプしてベルトの安全性を確保するよう設計されており、鉱業用途に最適な製品となっています。第三者によるテスト済みであり、クランプ定格の安全係数は業界標準を満たしているか超えています。今こそCクランプ、木材、チェーンといった手製の器具に別れを告げましょう。
解決策3:電動ベルト カッター
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コードレス ベルト カッター。 |
ベルトを切断する際、カッターナイフでは同じレベルの安全性、スピード、正確性をもたらすことができません。電動式のベルト カッターを使用することで、ベルト切断中の予期せざる怪我の危険性を最小限にし、スムースで正確な切断が可能になります。一例を挙げると、安全性に敏感な発電所でカッターナイフをコードレス ベルト カッターに置き換えた結果、フィンガースプライスにかかる平均時間がわずか20~25分に短縮され、作業に必要な人数も1人に減りました。
Flexco電動ベルト カッターにはコードタイプとコードレスタイプの2つがあり、最も柔らかい天然ゴムベルトから、最も硬い織物PVCベルトや繊維プライベルトまで、あらゆる種類のベルトを迅速かつ簡単に切断します。ゴムベルトの場合は最大2インチ、PVCベルトの場合は最大360 P.I.Wまで切断できます。スプリングで留められたブレードガードが作業員を保護するとともに、ボールベアリングが密閉されているので、最低限の力でカッターをベルトに差し込むことができます。
ヒント:ベルトはいつも四角に
ベルトの効果的な修理は、まっすぐに、四角にカットすることから始まります。ベルトエンドを四角にする作業は数分で完了し、ベルト スプライス寿命を延ばします。カットの前にベルトを正しく四角にする方法については、こちらのステップ・バイ・ステップガイドをご覧ください。
チームを訓練する
設計と組み立てが正しくなされたメンテナンスツールでさえも故障することがありますし、扱うユーザーが不慣れだったり訓練を受けていなかったりすると危険が生じます。コンベヤベルト リフター、ベルトクランプ、および電動ベルト カッターを使用するのに先立ち、作業員は徹底的な訓練を受ける必要があります。Flexcoは安全な修理に向けたベルトの前処理を含む、無料のコンベヤベルト修理トレーニングを提供しています。全作業員の安全を最大化し、お使いの器具から最大のメリットを得られるよう、こちらから無料のデモンストレーションを予約してください。
著者:エライナ・マッケイ、Flexco Australiaプロダクトマネージャー
マッケイはマーケティング・コミュニケーション・コーディネーターとして2018年にFlexcoに入社しました。Flexcoでの勤務中、彼女は鉱業および金属業界に関する専門技能と知識を発揮し、2021年にナショナルプロダクトマネージャーという新たな役職に就きました。現在はFlexco Australiaの製品戦略全般を管理しています。