私はこれまでに、「私たちのコンベヤベルトは完璧にきれいで、ベルトクリーナーは必要ない」と言う人に出会ったことがありません。実際、コンベヤベルトのクリーニングは、通常は現場で最も重要な問題の一つです。
これは、効率的なベルトクリーニングが、コンベヤシステムを最適化するために重要だからです。コンベヤベルトを長期間きれいな状態に保つことで、経費節減や、システム全体の修理やメンテナンスに要する時間の短縮に役立ちます。ベルトクリーニングによって、システムの生産性、安全性、そして従業員の満足度も向上させます。
すべてのベルトクリーナーは同じなのか？
全く違います！ベルトクリーナー（またはベルト スクレーパー）は、単純な自作道具から特定のニーズ、用途、業界に対応した高度なモデル設計まで、大きく異なります。
プレクリーナー（または主要クリーナー）は、ベルトがヘッドプーリの上部を通過する箇所や、素材が流れてくる下方部分で動作するよう設計されています。大きな素材片に最適で、キャリーバックの大部分である初期キャリーバックの約60～70％を取り除きます。
セカンダリ クリーナーは、ちょうどベルトがヘッドプーリを離れる場所に位置し、ベルトライン下部のどこでも、追加でクリーニングを行います。これは、特に微粒子に最適で、クリーニング効率は90％以上まで向上します。
また、異なるブレードによって、メカニカルおよび加硫スプライスとの様々な互換性レベルを提供します。使用可能な様々なベルトクリーナー ブレードの詳細や使用するべき時期については、以下のブログタングステンカーバイド ブレードおよびウレタン ブレードをご覧ください。
なぜ、コンベヤにベルトクリーナーが必要なのか？
満遍なくクリーニングされ、メンテナンスが行き届いたコンベヤシステムは、90%以上の稼働率で確実に動作できるからです。さらに、ベルトクリーナーが適切にクリーニングおよびメンテナンスされていると、機械系統や電気系統の故障によるベルトコンベヤシステムの予定外の停止を2%以下に抑えることができます。ベルトがこの比率で生産的に稼働している場合、ダウンタイムを抑え、高い生産性へ還元されます。こちらの例にあるように、クリーニングやダウンタイムに要する時間を、予防メンテナンスのようなより有効な作業へ転換できることをイメージしてみましょう。
インドの石炭処理施設に関する広範な研究によると、専用クリーナーを使用する施設は、クリーナーを使用しない施設の半分しかメンテナンスを必要としませんでした。興味深いことに、ベルトの平均寿命も1.5倍に伸びました。
効果のないベルトクリーナーにより発生する問題
役割を果たしていないベルトクリーナーがある状態でシステムが稼働している場合、多くの問題が発生する恐れがあります。
効果のないクリーナーでは、コンベヤシステムがキャリーバックに対処できない状態となり、製品の損失、追加の労働時間、ダウンタイム、安全リスクの増加、そしてベルトと他のシステムコンポーネントの磨耗を招きます。ここに顧客からの事例があります。キャリーバックの危険なクリーニングに何時間も費やしていましたが、劇的にメンテナンス時間と労働力を削減することに成功しました。
効果的なクリーナーなしでは、コンベヤにキャリーバックを歯止めなく発生させます。落ちた素材はコンベヤ全体に散らばるため、クリーニングをシステム全体で実施する必要があります。これにより、労働時間、ダウンタイム、および危険性を増加させます。実際に、米国鉱山安全健康管理局 (MSHA) によると、コンベヤ関連の事故の39％が、クリーニング中やコンベヤ周辺をショベルで掘り出す作業中に発生しています。顧客の素材が車両にこぼれ落ちる体験がどのようであったか、その後ベルトクリーナーを導入したことでキャリーバック問題を解決し、どのようにキャリーバックのクリーニングを90%向上させたか、ご覧ください。
キャリーバックは、コンベヤベルト、ベルト スプライス、コンベヤアイドラーに対して、過度で早期の磨耗、寿命の短縮、およびダウンタイムやコストの増加を発生させます。一度蓄積が発生すると、一般的に損傷が既に発生しますが、その代りに適切に選択しクリーニング ソリューションを維持すれば、この砂や砂利の処理現場のように今後このような問題を防ぐことが可能です。
効果的なベルト クリーニングのポイント
多くの用途では、満足のいくクリーニング作業のためには1台以上のベルトクリーナーが必要となるでしょう。一般的なシステムでは、プレクリーナー、1台以上のセカンダリ クリーナー、さらに往々にして水分除去のための最終特殊クリーナーが組み込まれます。これらは、用途の過酷さ度合や、クリーンなベルトへの顧客の期待度により異なります。いくつかの場合では、3種のクリーナーシステムによりまさに顧客が望んでいたニーズに応え、クリーニングに関連した追加のコストを確認した場合、この現場で実施したようにほとんどが採算が取れるようになっています。
適切なベルトクリーニングのポイントは、用途に対する適切なクリーナーを選択し、定期的に検査やメンテナンスを実施することです。お近くのFlexcoチームパートナーが適切なベルトクリーニング製品を選択し、お客様の作業から最大限のパフォーマンスを引き出します。
こちらでお客様のベルトクリーナーまたはコンベヤシステム全体の現地調査の申し込みが可能で、当社のアプリケーション スペシャリストがお客様独自の状態に応じた最も効果的なベルトクリーナーの選択をお手伝いいたします。故障によるダウンタイムを削減し、現場での生産性を高める助けとなるでしょう。
著者：プロダクトマネジャー、ケビン・フェイルズ
彼は、ベルトコンベヤ製品 (BCP) ラインを管理し、製品開発とエンジニアリングを、新製品のコンセプトと既存製品の市場要件についてのガイダンスと共に提供しています。また、彼はBCPラインをサポートする技術および販促パンフレットの製作も率いています。フェイルズ氏は、グランドバレー州立大学をマーケティング学士号で卒業し、現在はウェスタンミシガン大学で経営学修士号の取得を目指しています。