コンベヤベルトの修理となると、最も重要なプロセスの部分が最も見過ごされがちです。ベルトをカットする前に四角にすることと共に、ベルトをスカイビングすることは修理プロセスの中でしばしば忘れられる領域です。
ベルトをスカイビングすると、ベルトトップカバーの一部が外れ、ファスナー装着が容易になります。ベルトの強さは実際には芯体にあるので、カバーを取り除いてもベルトは弱くなりません。ベルトをスカイビングすると、保護カバーをベルトファスナーと取り換えるため、芯体のグリップが強化されます。
スカイビングする際は、ベルトカバーの1/16インチ(1.5 mm)を残しておき、
水や太陽などから保護します。
それではなぜベルトをスカイビングするべきなのでしょうか?
1.スカイビングは、より低いメカニカル ベルト ファスナーのプロファイルを実現する
ベルトのスカイビングはベルトの最上層を取り除くので、ファスナーが残りのベルト表面と同じ高さ、もしくはそれより下に置かれる余地を残します。この特徴により、ファスナーがベルトのコンポーネントやコンベヤの構造を妨害する可能性を減らします。
2.ベルトをスカイビングするとベルト クリーナーの寿命が延びる
ベルトがスカイビングされ、ベルト クリーナーや他のコンベヤコンポーネントがベルトファスナーの妨害を受けず滑らかな表面で効果を発することができると、システムはより効率的に動作します。スカイビングされたベルトは、クリーナーと互換性のある表面を作り、クリーナー ブレードとファスナーの寿命を延ばします。
3.ベルトをスカイビングすると、スカーティングと併用するファスナーの磨耗が改善される
スカイビングされたベルトは、スカーティングとファスナーの磨耗や破れを減らし、連日のオペレーションを可能にし、メンテナンスが軽減されます。ファスナーの頂部をスカートラバーの低い方の縁に配置することで、スカーティングとファスナーの過度の磨耗がなくなります。
4.スカイビングでスプライス寿命を延ばす
ベルトをスカイビングすると、より低いプロファイルによってスプライス寿命が長くなり、ファスナーの過度な磨耗や破れを防ぎ、ベルトの寿命を延ばします。
5.スカイビングでスプライスの強さが増す
ボルトソリッドプレートタイプのファスナーを使用すると、スカイバーはベルトからラバー層の頂部を取り除いて、ファスナーの歯がカーカスに適切にエンゲージするようにします。上下のファスナー プレートを互いに近づけて配置することで、より強いベルト スプライスが実現します。
ベルトを適切にスカイビングすると、ファスナーがより低い位置になるので、接触する可能性があるベルトとベルトコンベヤコンポーネントの磨耗と
破れが低減します。
スカイビングするべきでないとき
以上はすべて、ベルト スカイバーを使って作業に取り掛かることの納得の理由でしたが、ではスカイバーを手に取るべきでない時はあるのでしょうか?もちろんです。スカイビングは薄いベルトや磨耗したトップカバーには推奨しません。なぜならカーカスを切り込んだりベルトを弱める危険性が大きすぎるからです。
また、ファスナーの選定がスカイビングの過程で重要となります。実際、ベルトのスカイビングでは、不適切なサイズのファスナーが使用されているとスプライスに悪影響を及ぼすことがあります。なぜならファスナーの選定はベルト厚に大きく依存するからです。
最後に、ベルトを適切にスカイビングすることについて、決して時間を言い訳にはしないでください。メンテナンスの過程では、このステップをスキップすることは表向きは良いアイデアのように見えるかもしれませんが、それは将来必然的に余分なダウンタイムをもたらします。
適切なベルトスカイビングについての詳しい情報は、FSK2 ベルト スカイバーの動画をご覧ください。
執筆者:アーロン・ロッソ、シニアプロダクトマネージャー
ロッソ氏は、Flexcoの重搬送メカニカル ベルト ファスナープログラムをグローバルに管理しており、プログラムビジョンと戦略、製品開発計画、製品ラインポートフォリオ、プロモーション、PRとコミュニケーション、価格設定、収益性を担当しています。ロッソ氏はウェスタンミシガン大学で財務学士号を取得し、ノースウェスタン大学のケロッグ経営大学院(マーケティング&ストラテジー)にて経営学修士号を取得しました。