重搬送を伴う鉱業界では、極度に厳しい状態で稼働するベルトコンベヤシステムを使っています。このため、ベルトコンベヤシステムは常に損傷が発生しやすく、現場のダウンタイムや高額な修理コスト、潜在的な利益の損失につながる可能性があります。
早急な修理が常に必要になる、そのようなコンベヤベルトの種類の 1 つがスチールコードです。
スチールコードは頑丈で、現場のオペレーターが求める過酷な用途にも対応できるのですが、故障してしまうと、多くの現場ではすぐに対処する準備ができていません。
この機会に、スチールコードベルトに関する重要な情報を掘り下げてお伝えしたいと思います。こうした情報は、お客様のオペレーションをより円滑にし、ダウンタイムで生じる困難を回避するのに役立つことでしょう。
スチールコードベルトが有益な理由
スチールコードベルトは重搬送を伴う多くの鉱山で役に立ちます。
ベルトのゴム部に埋め込まれた鋼材ストランドによって非常に頑丈な搬送プロセスが実現し、高レベルの張力の強さによって、過度な摩耗や損傷への耐久性が極めて高くなります。
また、多くの場合スチールコードベルトにはトラフ性が高いという特徴があるため、オペレーターはより簡単に素材を運搬でき、従来の方法よりも短い距離でベルトをフラットからトラフに動かすことができます。
スチールコードベルトは世界中の鉱山用ベルトラインへの導入が年々拡大しています。今のうちにその技術に精通し、実際に使用する際に生じる課題に備えることが賢明と言えます。これは特に、港湾積出用ベルト、本線ベルト、一部のフィーダーベルトに関して当てはまります。
スチールコードベルトは重くて摩耗性の高い荷物を、ベルトが伸びる心配をせずに運搬できるため、そうした用途に適しています。運搬作業に必要な適度な伸縮性と長さを維持できるので、他の種類のベルトよりも高い確率で過剰な摩耗を回避できます。
スチールコードベルトを最適に保つことが重要な理由
ベルトの状態を最適に保つことは常に重要ですが、スチールコードベルトを使うオペレーターにとっては特に重要になります。
適切に手入れをしないと、財務的に大きな負担が生じることになります。採炭などの産業においてダウンタイムは高額な費用を伴い、より大規模なベルトコンベヤを扱っている場合は、それがより深刻化します。
破損したスチールコードベルトを再びスプライス加工する際の実際のコストは高額になる可能性があります。加硫加工などの解決策では、特に高額になります。多くの場合、現場ではサードパーティーに依頼してベルトの加硫加工を行う必要があります。サービスプロバイダーはかなり先まで予約で埋まっていることが多いので、このプロセスは時間がかかる可能性があります。緊急のダウンタイムが生じる場合、何日も待たされる可能性があり、利益全体に影響を及ぼすことになります。
ダウンタイムに伴う財務的な影響を制限するために何ができるでしょうか?特別なスチールコード コンベヤベルト スプライシング加工の解決策に投資することです。
スチールコード コンベヤベルト スプライシング加工の解決策を選ぶ前に聞くこと
コンベヤのダウンタイム中に素材を運搬できないことで、多額のコストがかかります。時間が経つとともに、その額は増幅していきます。
ダウンタイムの発生に備える最適な方法は、ダウンタイムが発生する前にできる措置を考えることです。次は、ダウンタイム時のスチールコードベルトへの対応を強化するために保守チームとともに問うべき質問です。
ベルトを再稼働させるにはどれくらいの時間が必要ですか?
多くの場合、スチールコードベルトは厳格な納期がある時間依存のジョブに使用されます。ベルトが故障すると、生産全体が一気に停止する可能性があります。徹底された体系的保守計画がなければ、チームは混乱してしまうでしょう。
現場でスプライシング加工の最も効果的な方法を判断するには、ベルトをいつ再稼働させる必要があるのかを自問するべきです。
一般的に、スチールコードベルトは正常なオペレーションの中心的な役割を果たしています。たとえば、石炭の出荷がすぐに必要で、長く待てば待つほど、財務的な懸念が高まる場合は、迅速に対処できる解決策をすぐに見つける必要があります。
ですが、現場によっては、用途のニーズのために加硫加工を待つことを検討する場合もあります。
どのようなスプライシング加工方法があり、どのくらいの時間がかかりますか?
すぐに稼働させる必要があるベルトには、FXC™ スチールコードベルト固定システムを使うことを検討すべきです。
FXC によってオペレーターは故障したコンベヤをすぐに再稼働させることができます。72 インチ(1800mm)幅のベルトの場合、4 人の作業員が約 5 時間で FXC を取り付け、液体ウレタン化合物でスプライスを完全密閉し、ベルトを再稼働させることができます。
FXC は使用する前に“スプライス加工”できるので便利です。よってオペレーターはダウンタイムが発生する前にベルトの仕様に合わせて FXC キットを準備できるので、必要に応じてより効率的にスプライス加工作業ができます。
ダウンタイムにすぐに対応できるようにすることが重要です。緊急時のために消化器を準備しておくように、FXC でも同じことが言えます。スチールコードベルトを使用するパートナーには、FXC スプライスキットをいくつか準備しておくことをお勧めします。遠隔地の場合は特に、他のスプライス加工方法の到着を長時間待たなければならない可能性があります。キットを準備しておくことで、保守作業員は独自に、より効率的にベルトを再稼働できるようになります。
前述の通り、スチールコードベルトをスプライス加工する他の方法として、加硫加工があります。
加硫加工は強力なスプライス加工で、正しく行えば、長持ちします。ベルトの端を一緒に溶かすことで、継ぎ目のない強力なスプライスが得られます。ですが加硫加工にはより多くのベルト素材が必要になる場合があり、正常にスプライス加工するには、より多くのベルト準備作業が必要になります。FXC スプライスの場合は、取り付けるためのコードを剥く際に必要なベルトの長さや作業時間が比較的少なくて済みます。
ダウンタイムの深刻度はどれくらいで、スプライシング加工の解決策をどのくらい待つことができますか?
ダウンタイム発生時にどの解決策が適しているかを判断するもう 1 つの重要な要素は、損傷レベルを確認することです。
ベルトが故障し、現場で長期的な解決策を評価するために時間を取りたい場合は、FXC のような製品が最適な選択肢になります。損傷したベルトに FXC ファスナーを取り付けることで、長期的なスプライス加工の必要性を検討しながら、生産を続けることができます。
加硫加工が正しい決断であるならば、保守チームは修理を待つ間に応急措置としてファスナーを取り付けることができます。
スチールコードベルトのスプライシング加工で正しい選択を
スチールコードベルトの効果的なスプライシング加工解決策に投資することは、すべての鉱業施設にとって最も重要です。
あらかじめ計画をしておくことで、ダウンタイムに速やかに対応でき、納品できない場合に生じる財務的な損失や顧客との関係の悪化を防ぐことができます。
パニックにならず、準備してください。今すぐ FXC の在庫を確保してください。
ダウンタイムをなくす
著者:ラス・ハインツ、シニアトレーニングおよびテクニカルスペシャリスト
ラス・ハインツは、1995 年に Flexco へ入社し、シニアトレーニングおよびテクニカルスペシャリストとなるまで、社内で様々な業務を担当していました。この中で、ハインツ氏は施設内および現場試験を通じて当社の製品の効率に重点を置いています。ハインツ氏は、Flexco 従業員、販売店、顧客に対して、対面式やハンズオン、室内または現場でのトレーニングを定期的に実施しています。