夏休みの始まりは、手荷物搬送と仕分けシステムの改善について、仕分けシステムが直面する課題と合わせて話し合う最適な時期です。というわけで私からの最新ブログは、業界の現在と将来の動向および課題についてお話しします。
アップデート、拡張、テクノロジー
空港の手荷物搬送業界の拡張はこれまでにないほど盛り上がりを見せており、勢いは止まりそうにありません。専門家によると、大規模なアップデートや成長は2024年まで続くと予想されています。新たな空港やターミナルが計画済みまたは建設済みであり、また、より多くの乗客を安全に、効率的にもてなすために既存のターミナルのリモデルまたはアップグレードが行われています。そして、当然インフラストラクチャの費用以外にも、手荷物の仕分けと搬送の精度や作業員の安全性を改善するために設計された新しいテクノロジーに継続的な投資が行われています。
無線周波数識別(RFID: Radio Frequency Identification)技術は新しいテクノロジーの1つとして広く導入されており、航空会社はRFIDチップの手荷物タグへの取り付けを開始しています。この技術により航空会社はRFIDをタグ付けされた手荷物の位置を、いつでもより正確に追跡することができます。手荷物の追跡精度が向上することは、旅行者にも航空会社にも大変な有益をもたらします。自分の手荷物がどこにあるのか、いつも把握していたいですよね?
手荷物の詰まりが生じましたか?
古い空港の手荷物搬送コンベヤシステムを新しいRFID手荷物追跡技術にアップデートすることで、航空会社は手荷物の取扱いと仕分けシステムにおける既存の問題がどこにあるのか、よくわかるようになります。この技術があれば、RFID追跡ラベルをタグ付けした各手荷物の正確な現在地を特定することが可能です。
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手荷物のタグやストラップ、タイヤは、乗り継ぎ部の隙間にはまりやすいです。 |
潜在的な問題が存在するエリアの1つとして、コンベヤからコンベヤへの乗り継ぎ部が挙げられます。継ぎ目の悪いトランスファー プレートや、フィラーのないコンベヤ間の隙間は、手荷物のストラップやタグ、時にはタイヤまではまってしまうことがよくあります。手荷物が乗り継ぎ部で引っかかると、飛行機への乗り継ぎに間に合わず、乗客は不満を抱き、航空会社は手荷物破損の補償をしなければならない可能性がでてきます。最悪のケースでは、コンベヤ上でつっかえてしまった手荷物が他の手荷物をせき止めてしまい、さらに多くの手荷物が乗り継ぎ便へと運ばれない可能性があります。
手荷物が詰まる危険性があるもう1つのエリアは検査コンベヤです。検査コンベヤは100 fpm(.5 mps)ほどの速度で1時間に600個以上の手荷物を処理し、X線スキャントンネルの前後には複数の乗り継ぎ部が存在します。このクリティカルな作業は、乗客の安全を守るために爆発物、密輸品、薬物を検出します。もしも手荷物がコンベヤの間に挟まってしまったら、作業を滞らせ、検査システムの効果を減少させてしまいます。
利用できるソリューションには、あらゆる形状、サイズ、効率性のものがあります
RFID追跡システムは、起こり得る問題を早期に手荷物搬送システム管理者に通知できますが、この技術は手荷物の詰まりの根本原因の解決にはなりません。
トランスファープロテクションがまったく取り付けられておらず隙間があるコンベヤの隙間では、手荷物にぶら下がっているストラップ、タイヤやその他のアイテムが隙間に引き込まれ、ヘッドプーリや多くの手荷物搬送コンベヤの安全予防措置として取り付けられているフィンガー/ハンドガードプレートの間にはまってしまう可能性があります。前述したように、このような状況では手荷物が飛行機に到着するのが遅れたり、荷物自体が破損したりする可能性があります。
トランスファー プレートは、乗り継ぎ部での手荷物の搬送を妨げず、隙間を埋め、アイテムの破損を防ぐ優れたオプションです。ただし、すべてのトランスファー プレートが同等に作られているわけではありません。
スチール製のトランスファー プレートなどのソリューションには欠点があります。スチール プレートは、適切に取り付けられていればかなりうまく機能します。問題は、スチール製トランスファー プレートはまったく柔軟性がなく、引っかかったストラップ、タグなどのアイテムがたまるため、搬送中の手荷物だけでなくコンベヤベルト自体にも損傷を与える可能性があることです。ベルトといえば、あらゆる種類の損傷したベルトやベルト スプライスも静電気スチールプレートに引っかかるため、ベルトにさらなる損傷を引き起こす可能性があります。
工業設計されたソリューションが最も効果的
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Flexcoのセグメンテッド トランスファー プレートのような工業設計されたソリューションであれば、手荷物の搬送が滞ることなく、取り付けやメンテナンスも簡単です。 |
しかし心配は無用です。望みはあります。Flexcoは、手荷物にもコンベヤにもやさしい、画期的なトランスファー プレート システムを新たに開発しました。Flexcoのセグメンテッドトランスファー プレートは、手荷物やその他の搬送物がコンベヤの乗り継ぎ部上を安全かつ簡単に搬送できるよう設計されています。また、万一、手荷物のストラップなどのアイテムが搬送時に引っかかった場合、3インチ(75 mm)幅の視認性の高い黄色のセグメントが通りを邪魔しないように持ち上がるか、または下にさがります。これにより、乗り継ぎ部を保護しつつ詰まりを解消します。
セグメントがサポートバーから下におりてしまった場合の修復は、新しいセグメントを所定の位置にはめ込むだけですので、数秒で完了します。さらに良いことに、交換用のセグメントは手荷物システムのメンテナンス担当者が簡単に在庫管理できます。もうスチール製トランスファー プレートや隙間を埋めるためのソリューションをカスタムメイドする必要はありません。
壊れない限りは...
乗り継ぎ部での問題が作業全体にそれほど大きな影響を及ぼしていることに、あなたはもしかしたら気付いていなかったかもしれません。そしてこのブログを読んで、良いアイデアだけど現場の人間にはこれを採用する時間すらないと感じているかもしれません。ただ、私から質問をさせてください。「業務の効率を上げ、手荷物に関するクレームを削減するために費やせる時間はありますか?」私は、時間ならあると思いますが。
著者:トッド・スチュアート、インダストリー マネージャー
Flexcoに30年勤務しており、カスタマーサービスから製造、トレーニング、新製品開発に至るまでさまざまな職務に就いてきました。インダストリー マネージャーとして、対象となる産業を徹底調査し、各産業をサポートするプログラムを作成し、お客様の問題と、考えられる製品ソリューションを特定します。現在は、小包取扱の業界プログラムの開発を先導し、Flexcoがグローバル顧客のニーズに確実に応えられるようにする任務を負っています。ダベンポート大学でB2B専門のマーケティング学士号を取得しています。