2018年7月10日
空冷式スプライスプレスと水冷式スプライスプレス。どちらが最適でしょうか?
コンベヤベルトは、十分に時間をかけて固着すれば決して剥がれることはありません。しかし納期が迫っていたり、納入を急ぐと、必ずコンベヤベルトが剥がれます。ベルトコンベヤの再稼働と運転再開にすべてがかかっているとき、どのタイプのスプライスプレスが有用でしょうか?空冷式?それとも水冷式?
工程内のどの段階で冷却を行うか?
まず、コンベヤベルトを冷却する理由とその方法について知ることが重要です。どのようなエンドレススプライシング加工法を用いても、加熱の段階では、熱と圧をかけ熱可塑性ベルトを溶かし、すき間を埋めて接着するという工程は同じです。しかし、冷却の段階では素早さがキーポイントです。加熱のし過ぎや、他の熱要因によりスプライスが弱まり、早期亀裂を起こし得るからです。そのため、冷却工程はスプライス接着後、できる限り速やかに完了する必要があります。
空冷式プレスと水冷式プレスの違いは、その点にあります。
水冷式
従来の水冷方式では、とても効果的な冷却媒体として水を使用しています。冷たい水は、スプライスの温度を素早く下げます。しかし、冷却を続けるうちに、工程の速度が落ち始めます。大きな水冷式プレスの場合、水によってスプライスを冷却するとともに大きなアルミ製スプライシング加工圧板も冷却する必要があるため、この工程の速度低下はさらに早く起こります。水冷式プレスの平均冷却時間は、10分から20分です。
また、水冷式スプライシング加工では、プレス作業者が水源を現場で確保するか、なければ水を現場に持ってくる必要があります。スプライシング加工工程の前とスプライス完了後に、水タンクを満たしてホースをつなぐ必要があります。場合によっては、タンクを満たして水を運ぶことは不衛生とみなされる場合があり、水生バクテリアの環境への拡散を防ぐために、かなりの時間をかけて機器を消毒する必要があります。
空冷式
小型軽量の空冷式プレスは、ファンを使用してスプライスを冷却し、スプライシング加工工程に要する時間を大幅に軽減します。強制空冷式プレスは、より少ない量で、より短時間で圧板とスプライスを冷却するように設計されています。水を使用しないため、外部コンポーネントの取り付けや取り外しをする必要がなく、時間が短縮されます。
効率的な空冷式プレスは、3分から5分で冷却でき、水を補給する外部コンポーネントを使用しないため、取り付けや取り外しを素早く行えます。空冷式プレスのさらなる利点は、軽量で、運搬と操作が簡単であるため、現場に持っていく作業員の多くがこれを好むという点です。
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執筆者:製品マネージャー、ミシェル・グレイブス
グレイブスは、グローバルビジネス、マーケティングプラン、テクニカルサポートおよび、Novitool® 製品ラインのための軽搬送ベルト市場に関連する活動(新製品開発、市場分析、グローバル戦略)を包括的に管理します。グレイブスは、アルビオンカレッジを卒業し、グランドバレー州立大学の修士号を取得しました。